• "シーズ"(/)
ツイート シェア
  1. 福岡市議会 2010-03-25
    平成22年条例予算特別委員会 本文 開催日:2010-03-25


    取得元: 福岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 議案審査  議案第28号ないし議案87号、以上60件を一括して議題とし、審査を行った。  初めに、自民党福岡市議団から「議案第61号福岡市乳幼児医療費助成条例等の一部を改正する条例案」に対する修正案が、共産党福岡市議団から「議案第28号平成22年度福岡市一般会計予算案」について予算案の組み替えを求める動議並びに「議案第61号福岡市乳幼児医療費助成条例等の一部を改正する条例案」に対する修正案がそれぞれ提出され、それぞれの提出者から趣旨説明が行われた。引き続き、共産党市議団提出の議案第28号の予算案の組み替えを求める動議に対し、みらい福岡から質疑が、自由民主党市議団提出の議案第61号の修正案に対し、社民・市政クラブ及び民主・市民クラブから質疑があった。その際、民主・市民クラブ(阿部(正)委員)の質疑終了時に自民党(冨永委員)から修正案に対する発言があり、その取り扱いを協議するため、一たん休憩した。再開後、共産党市議団提出の議案第28号の予算案の組み替えを求める動議及び議案第61号の修正案に対し、民主・市民クラブから質疑が、共産党市議団提出の議案第61号の修正案に対し、みらい福岡から質疑があった。その後、全議案、動議及び修正案に対する各派代表による意見開陳を行い、続いて採決を行った。  まず、議案第28号に対する共産党市議団提出の予算案の組み替えを求める動議は否決され、次いで、議案第28号を賛成多数で可決すべきものと決した。議案第61号については、共産党市議団提出の修正案を否決し、次いで、自由民主党市議団提出の修正案を賛成多数で可決し、次いで、修正可決した部分を除く原案を採決の結果、賛成多数で可決すべきものと決した。最後に、「議案第87号福岡市住宅リフォーム助成条例案」を賛成少数で否決すべきものと決し、他の諸議案については、全会一致または賛成多数をもって、いずれも原案どおり可決すべきものと決した。  なお、動議及び修正案の趣旨説明、動議及び修正案に対する質疑、意見開陳の要旨は次のとおりである。 (修正案の趣旨説明◯冨永委員 議案第61号乳幼児医療費助成条例等の一部を改正する条例案に対する修正案について、提出者である自由民主党福岡市議団を代表して、その提案の趣旨及び主な内容を説明する。まず、提案の趣旨について、市長は平成18年の市長選の公約及び22年度の市政運営方針において、日本一子育てしやすいまちづくり重要施策の一つとして上げている。それ自体には共感を覚えるものであるが、その施策の具体的内容が入院に係る医療費の助成対象を小学校3年生までに拡大することであることは、大きな疑問を感じる。今回の修正案は、子育て日本一を掲げる本市において、市民ニーズや本市の財政状況、他都市の状況等を踏まえ、対象者を小学校6年生までに拡大するものである。市長は、子どもの医療費の助成の拡大に関する代表質疑に対して、今回の小学校3年生までの拡大は、次世代育成支援アンケート調査による小学生の子どもを持つ親のニーズと本市の財政状況を踏まえて行うものであると答弁され、また、補足質疑では、子どもの医療費の無料化にはいろいろな考え方があると答弁された。そこで、市長案の根拠であるニーズと財政状況に対して意見を述べる。まず、次世代育成支援アンケート調査だが、確認したところ、今後充実してほしい子育て支援施策として、50.3%という高い比率で、安心して子どもが医療機関にかかれる体制の整備と回答した保護者は、小学校1年生から6年生までの子どもの保護者であり、このアンケート結果は、市長案の小学校3年生までしか拡大しないことの根拠にはなり得ない。市長答弁のように子どもを持つ親の真のニーズを踏まえるならば、小学校6年生までの拡大とすべきである。また、私どもには、医師会を初め、いろいろな方々から高額医療費を勘案しても、子育て中の保護者の負担は大変大きいものがあり、適切な医療を受けられない不安や心配があるとの意見が寄せられている。次に、小学校3年生まで入院に係る医療費の財政措置については、条例予算特別委員会の第2分科会での当局の答弁は、県の乳幼児医療に係る補助金の対象年齢が3歳未満から小学校就学前に拡大したことにより、平年度ベースで増額されることになる約1億2,000万円と、小学校3年生まで入院に係る医療費の助成を拡大した場合に見込まれる1億4,000万円とが、おおむね見合うことから市長案を提案したとのことである。しかし、今回の県補助金の増額については、他都市は扶助費の2分の1が助成されているのに対して、政令市である本市は4分の1しか補助されていないという状況は残ったままである。この補助金の増額分は、3歳から小学校就学前の対象者に係るものであり、当然その分の予算に充当すべきである。当局の説明では、小学校6年生まで拡大すると、県から裕福な市として見られ、今後の県補助金の見直しが進まなくなるとのことであるが、市長案こそ本来の補助の対象に係る予算に充てず、小学校3年生までの拡大分に充てることになり、それこそ県から裕福な市として見られ、今後も改善が見込めないことになるのではないか。助成対象の拡大を中止したら、県が補助金を見直すとの言質でもあれば別だが、県への見直し要求と本市独自の助成対象の拡大は全く別に考える必要がある。子どもの医療費助成の拡大は、別制度における県補助金が増額したからとか、裕福で余裕ができたから行うものではなく、真に市民のため、子育て日本一を実現するためにその必要性を判断して行うものである。そして、子育て日本一を実現しつつ、膨らむ財政支出を抑えるためには、不公平である県補助金の見直しを今後さらに強く求めていくべきである。今回の修正案に伴い、新たに必要となる財政措置については、22年度については、準備作業や財源確保などに時間を要することも考えられ、実施時期がおくれることも考慮すると、最大で平成23年1月にずれ込む可能性もあり、本予算に関して毎年行われている補正の範囲内から当初予算の範囲内で執行することができると考えている。また、23年度以降については、市長案に追加して財源が必要と見込まれるが、これらの財源については、まず、22年度に実施される市立病院の地方独立行政法人化に伴うコスト削減策が、当局試算によれば、23年度において2億2,000万円ほど見込まれる。また、乳幼児医療費に係る21年度決算見込み額として19年度決算額を比べると、財政負担が2億7,000万円ほど減少している。その内訳については、当局は前述のとおり、県補助金の見直しに係る本市の財政負担減少分が約1億2,000万円であり、その分を市長案の財源にしているとのことであるが、残りの1億5,000万円については明らかにしていない。この1億5,000万円については、平成20年4月から健康保険の自己負担が2割である対象者が3歳未満から就学前の6歳までに拡大したことにより、本市の医療費助成事業に係る経費負担が減少したものであると考えられ、今後も恒常的に生じるものと考えられる。このようなことを考慮すると、子ども医療に係る施策を重要施策として重点的に予算の配分を行えば、十分に財源を確保できるものと考えている。さらに、今後、県の乳幼児医療に係る補助金の不公平な取り扱いの是正を実現すれば、約6億円の新たな財源が見込め、将来の恒常的な予算確保も十分可能と考えている。市長の予算執行権に配慮し、特定の財源からの充用を強制するようなことはしないが、創意工夫して早期の予算措置をお願いする。さらに、他都市の状況も考慮している。全18政令市について、医療費の助成制度の状況を見ると、本市は大きく出おくれている。具体的には、所得制限や自己負担を行っているケースもあるが、入院費について小学校6年生以上を助成対象としているのが11市、小学校3年生までを助成対象としているのが1市、小学校就学前までを助成対象としているのが本市を含む6市という状況である。さらに本年10月までには、千葉市、堺市、岡山市、北九州市が助成対象を拡大する予定であり、18政令市中15市が小学校6年生以上の入院費の助成を行うこととなり、たとえ市長案のように本年9月から助成対象を小学校3年生までに拡大しても、ほとんどの政令市に先を越されている状況であり、本市の子ども医療費助成制度は大きく後れをとっていると言わざるを得ない。他の政令市も財政状況が厳しいのは本市と同様であり、中には県補助金が全くないにもかかわらず、本市以上に助成対象を拡大している市もある。このような取り組みは、真に市民のニーズを踏まえ、行財政改革を進めるとともに、子どもの医療費助成のために重点的に予算を配分する工夫と努力をされたものと思う。このような状況を踏まえ、本市を子育て日本一にするためには、安心して生み育てられる環境を整えていく必要があり、他都市の状況等を考慮しても入院費の助成対象を少なくとも小学校6年生までに拡大することが不可欠であると考え、本修正案を提出している。次に、本修正案の主な内容であるが、第1に入院に係る医療費の助成対象を、市長案の9歳、小学校3年生までを、12歳、小学校6年生までに拡大している。第2に、助成の方法については、現行及び市長案と同様に、医療証を発行する現物給付方式を採用している。第3に、追加的な財政措置の可能性や施行に伴う準備作業等を勘案して、施行日を公布の日から起算して10月を超えない範囲内において規定で定める日として、施策を執行する立場にある市長の予算執行権に配慮している。以上が本条例案の趣旨及び主な内容である。議員各位の賛同をよろしくお願い申し上げ、提案理由説明とする。 (動議及び修正案の趣旨説明) 2 ◯中山委員 日本共産党市議団を代表して、議案第28号平成22年度一般会計予算案組み替えを求める動議、及び議案第61号乳幼児医療費助成条例等の一部を改正する条例案に対する修正案について、その提案理由の説明を行う。まず、議案第61号に対する修正案についてである。市長が提出した原案は、子どもの医療費助成制度について、入院医療費のみ小学校3年生まで拡大するものである。我が会派は、これを一歩前進と評価しつつ、医療費無料化を入院・通院とも中学校3年生までに拡大することを求めて、修正案を提案している。理由の1点目は、子育てに係る経済的負担の中でも医療費の負担を軽減することが今強く求められているからである。子育て世帯は比較的所得が低く、子育てに係る経済的負担は大変重くなっており、中でも子どもの医療費は重い負担となっている。そのことは、本市が昨年行った次世代育成支援に関するアンケート調査においても明瞭に示されている。この調査で、小学生の子どもを持つ親が、どのような子育て支援の充実を図ってほしいと期待しているかとの問いに対して、第1位は安心して子どもが医療機関にかかれる体制を整備してほしいで、50.3%を占めたという結果が出ており、報告書のまとめでは、前回調査と比較して大きく伸びており、乳幼児医療費の無料化が就学前まで拡大されたことを反映している部分が大きいと述べている。すなわち、子どもの医療費無料化は、子育て世帯の多数の要望となっているのである。2点目は、子どもの入院に係る医療費は、高額療養費制度があるとはいえ、保護者にとって重い負担であり、その無料化を小学校3年生までにとどめることに合理的根拠がないからである。政令市では既に、さいたま市、横浜市、川崎市、静岡市、浜松市、名古屋市、神戸市の7市が実施しているとおり、義務教育期間である中学校3年生まで無料化する必要がある。3点目は通院に係る医療費についても、保護者にとっては日常的な負担となっており、義務教育期間である中学校3年生まで拡大すべきだからである。日本医師会は、昨年10月14日「日本医師会の提言-新政権に期待する-」を発表し、その中で、「患者一部負担割合は、外来、入院ともに高いが、まずは早期発見、早期治療が重要であり、そのために、外来の引き下げを優先する。特に、子育ての心配をなくし、少子化対策を支援するため、義務教育修了までの外来医療費の無料化を目指す。」と明確に述べている。本市が国に先駆けて子どもの医療費無料化を拡大するなら、通院も対象年齢を大幅に拡大すべきである。4点目に、入院・通院ともに無料化することが全国の流れになっているからである。子どもの医療費助成制度は全国で広く実施されており、中学校3年までの入院・通院医療費助成対象としているのは345市区町村に上っている。政令市ではさいたま市が既に実施している。したがって、医療費助成対象年齢を、義務教育を受ける中学校卒業までのすべての子どもに拡大するとともに、助成の範囲を入院医療費に加え、通院医療費にも拡大するため、原案の一部に修正を加えるものである。次に、議案第28号平成22年度一般会計予算案組み替えを求める動議についてである。市長が編成した2010年度予算案は、人工島事業の推進に89億円もの予算をつけるなど大型開発を推進する一方、財政難を口実に、子どもの医療費助成制度の拡大を入院のみ小学校3年生までにとどめている。我が会派は、先ほど述べたとおり、子どもの医療費無料化を入院・通院とも中学校3年生までにさらに拡充することを提案しているが、その実現のためには予算措置が必要である。したがって、市長が2010年度一般会計予算案組み替えを行い、再提出することを要求する。組み替えの基本方針については、一般会計予算のうち、人工島関連事業など不要不急の大型開発5事業を推進するための歳出予算を削除し、それによって市債発行を抑制しつつ、新たに生み出した財源を子どもの入院・通院医療費助成の中学校3年生までの拡大に係る予算に振り向ける。第1に、人工島事業推進の約31億円、五ヶ山ダム建設関係7億円など大型開発事業を凍結する。歳出予算の削減額は約41億円となり、関連歳入である市債21億7,000万円余、国庫支出金11億8,000万円などを減額する。これによって約3億6,900万円の一般財源が確保できる。第2に、子ども医療費助成に係る予算を追加する。予算原案には小学校1年生から3年生の入院医療費の助成分約1億4,000万円が計上されているが、さらに小学校4年生から中学校3年生の入院医療費助成分と小学校1年生から中学校3年生までの通院医療費助成分を追加する。その額は11億9,200万円であるが、関連歳入として高額療養費収入1億2,000万円が追加されるため、一般財源からの拠出は10億7,200万円となる。不足する7億円は財政調整基金から取り崩す。なお、入院・通院とも医療費無料化を中学校3年生まで拡大するのに必要な費用は、通年にすれば約24億円であるが、この財源は、大型開発を推進する事業の凍結のほか、開発破たんのための税金投入の中止、開発型外郭団体への補助金や出資金の見直し、同和対策の完全終結などによって不要不急の歳出を削減するとともに、家計を応援する経済・雇用対策の強化によって市税収入をふやすことなどを行えば確保できるものである。さらに、乳幼児医療費助成制度を国の制度とすることが求められているが、これが実現されれば本市の負担が減り、その分を活用することができる。財源について、市職員の大幅削減や市民負担増の行革に頼るやり方は我が会派の同意できないところである。以上が予算組み替え動議子ども医療費助成条例修正案の提案である。市民の願いである子ども医療費無料化の拡充を実現するため、我が会派はその財源措置についても責任を持って提案している。これは市民の理解を得られるものと確信するものであり、議員各位の賛同をよろしくお願いする。 (動議に対する質疑) 3 ◯笠委員 共産党より提案されている子ども医療費の拡充に伴う予算の組み替え動議に対し反対を表明し、幾つかの質問を行うものである。提案の組み替え動議では、アイランドシティ整備事業などの大型開発事業をやめれば財源はあるとしているが、これらの事業をやめれば本当に財源が出てくるのか。アイランドシティ整備事業予算の削減により幾ら原資を捻出できるのか、収入と支出の具体的内容を尋ねる。 4 ◯宮本委員 人工島事業については、一般会計における港湾局の人工島整備事業費15億7,029万円余の削減、その関連歳入は、国庫補助金3億6,154万円余、市債6億2,600万円、その他3億5,852万円、港湾特別会計等負担金港湾整備事業基金繰入金などが必要でなくなり、その結果一般財源2億2,431万円が捻出できる。また、人工島関連道路の事業費13億6,900万円を削減する。これも関連歳入を除くと同じく一般財源が8,500万円捻出できる。さらに、住宅市街地総合整備事業で1億2,220万円余の削減で、同じく関連歳入を除くと一般財源4,179万円が確保できる。また、東部幹線道路計画等の検討に関する事業費4,090万円の削減、これは全額一般財源である。この結果、一般会計における事業費31億239万円を削減することによって、人工島事業関連では合計3億1,550万円の一般財源を確保することができる。 5 ◯笠委員 提案のような予算削減となれば、一般会計事業のみならず起債事業を含めた事業全体の中止ということになる。承知のように、アイランドシティ整備事業では、これまで起債を活用して事業を進めてきたが、事業中止となればこれを返済するための収入も見込めなくなる。どうやって返済するのか。港湾整備事業特別会計一般会計からの税金投入を容認するということか。 6 ◯宮本委員 借入金の起債の返済金について、既に造成されている土地がある。その土地の処分で収入を確保することができる。その収入を返済に充てたいと思う。また、特別会計への税金投入は考えていない。 7 ◯笠委員 折しも市5工区最初の分譲について事業予定者が決まったばかりだが、ここで予算が削減となれば、その事業者はすぐさま撤退となり、結局分譲可能な土地も売れないまま事業中止に追い込まれる。また、造成途中の広大な土地について、事業をやめた後のことをどう考えているのか。未完成なまま放置すると、環境悪化も招き、さまざまな管理経費も必要となる。その財源についてはどこから捻出されるのか。 8 ◯宮本委員 事業凍結後について、まず事業を見直すことを検討したいと思う。その間の環境問題が出てくるだろうが、当然取り組んでいかなければならないと思う。その管理経費については、港湾特別会計で賄っていきたいと思う。 9 ◯笠委員 港湾特別会計から支出するという話だが、いろいろとそれだけのものを本当に確保できるのかという疑念がある。さらにアイランドシティには既に3,400人もの市民が住んでいるが、先進的なまちづくりに期待を寄せて来た住民、希望と愛着を抱きアイランドシティで暮らすことに誇りを持つ住民は、事業中止決定ということになればどう感じるか。アイランドシティの住民から理解を得られると考えるのか、所見を尋ねる。 10 ◯宮本委員 現在、居住者には、直接的な影響はないと考えており、居住者の生活について、不利益を与えることを提案しているつもりはない。また、今回の中学生の医療費の無料化を進めることなど、社会保障の充実などを進めていくことによって、関係者の理解が得られるように取り組んでいきたいと考えている。 11 ◯笠委員 すべての関係者に理解してもらうのは、甚だ疑問であると思っている。次に、渡辺通り駅北土地区画整理事業について質問する。当事業は、22年度で事業が終了予定であり、今後土地としての利用価値が高まり、やっと主要収益を開始していく段階になっている。この事業の22年度予算を凍結するということは、16年度から進めてきたこれまでの投資をむだにすることになると思われるが、所見を尋ねる。 12 ◯宮本委員 今回の提案で、投資したものの返還を求めているわけではない。ただし、これまでの補助金が適正であったものか、適正に運用されているものなのかは当然精査されないといけないと思う。承知のとおりこの事業は総事業費約58億円である。その財源のほとんどは、本市などの財政負担である。九州電力、都市みらいふくおか、そして事業主体であるUR都市機構にも適切な事業負担を求めるべきだと考えている。
    13 ◯笠委員 途中で中止をするということになれば、当然見込まれていた事業効果が100%出てこないということになると指摘しておく。九州新幹線博多整備事業負担金について質問する。この負担金は、平成23年春の九州新幹線乗り入れに伴う博多駅整備に対して負担を行うものである。九州新幹線の博多駅乗り入れは、市民の利便性の向上にも寄与し、九州、西日本から多くの観光客の来訪も期待できるなど、本市の九州、アジアの陸の玄関口としての拠点機能を大きく向上させるものであり、多くの市民が待ち望んでいる事業である。当事業への22年度の本市負担を凍結するということは、事業の最終年度となる工事も中止し、すなわち九州新幹線の全線開業も取りやめろということなのか。所見を尋ねる。 14 ◯宮本委員 九州新幹線博多整備事業を否定するわけではない。本市がかかわっている九州新幹線博多整備事業については、その事業費は総額380億円である。そのうち、JR九州の事業負担は全くない。全額本市と福岡県及び国である。博多駅の整備を進めるならば、当然JR九州はその事業費の負担をすべきではないかと思う。これは市民の思いにも合致するのではないかと思う。本市の負担についても、法律的には強制されているとはみなしていないので、こういう提案をしている。 15 ◯笠委員 JRに負担を求めるということだが、当然本市の予算、来年度予算を先に認めないということになれば、その結果が後からしかわからないということで、先に予算をとめてしまうということは反対である。我が会派では、これまで経営的視点を持って、より効率的な事業執行に努めるべきであると主張してきた。今回の共産党からの組み替え動議では、本市にとって重要なプロジェクトを中途半端な状態で中止し放置することになり、本市全体にとっても大きな損失である。本市の施策を検討するに当たっては、市民生活の安心感の向上につながるものや、都市活力の向上に資するものなど、施策間のバランスや将来の財源状況などを十分に踏まえて、冷静に判断することが求められているのではないか。施策を実施するための財源は、あくまでも市民からいただいた貴重な税金であることをよく認識しなければならない。都市活力の向上に向け、特に求められているのは成長戦略である。しかし、アイランドシティ整備事業を初めとする成長戦略がなければ、税収が減り、結局そのつけは市民に回ることになる。本市の成長や将来的発展を図る上で、必要不可欠なこれらの事業は、長期的展望に立って着実に推進していく必要がある。今回の予算の組み替え動議については、幾つかの大型開発事業を中止し、その財源を中学校3年生までの医療費無料化に伴う費用に充てるとなっている。大型開発事業といえども、事業が完了すればそれ以上の支出はないが、提案している中学3年生までの医療費無料化は、毎年支出される恒常的な費用である。大型開発をやめれば財源はあるという説明は甚だ心もとない、いずれ市政の破綻を来すであろう薄弱な根拠と言わざるを得ない。所見を尋ねる。 16 ◯宮本委員 我が党が提案した子ども医療費助成制度が、あたかも本市の財政破綻をつくり出すかのような指摘であるが、実態はそうではないのではないか。3代続いてきた市長が、人工島事業などを推進してきた結果が、今本市の厳しい財政をつくり出してきているのではないかと考えている。その市政を税金を1円も使わないと言って、それが覆された。そのことは当然皆が承知のことだと思う。こういう事業を推進してきた人々についても、やはり今反省が求められているのではないかと思う。これらの反省なく、子ども医療費助成制度が財政破綻を来すと指摘されたが、今、他の政令市では中学3年生までの医療費の無料化を行っているところもある。これを行うためには、そのための財源をどうつくり出していくのか、真剣に論じることが当然求められていると思う。そのために税金の使い方を変えていくことが必要ではないかと思う。今日の厳しい財政、借金財政をつくり出してきた需要のないむだな大型開発事業を進めること、これを改めて行政のあり方を、社会保障や暮らし、福祉、生活密着型の公共事業に転換してこそ健全な財政運営ができていくのではないかと考えているので、理解願いたいと思う。 17 ◯笠委員 一つの意見として伺っておく。最後に一言、意見を述べる。共産党のこれまでの議会活動での発言はぶれることがなく、明快な論理のもとに行動をとってきたことに対して、私自身は一定の評価をしている。そのような共産党が、西日本新聞の記事を見ると、共産党案が廃止になった場合、自民党案に賛成する方向だと書いてある。これでは予算の組み替え動議まで出して、つまり大型開発の中止による財源確保を強く訴えていることと、実際賛成多数で可決されるであろう自民党案の財源は全くもって別のものである。とても理解できない。また、市民にとっても、このような行動はとても理解できないと思う。共産党の良識と深い見識のもと、いつまでも明快な行動をとることを切に期待して意見を述べた。このようなことを踏まえ、今回の子ども医療費の拡充に伴う予算の組み替え動議に対しては反対する。 (修正案に対する質疑) 18 ◯木村委員 子ども医療費問題に関連して、自民党に、小学6年生までの入院費を無料化する修正案の提出に至った経過を尋ねる。 19 ◯今林委員 市長が、平成18年の市長公約及び22年度市政運営方針において、日本一子育てしやすいまちづくりと言ったことに対して、すばらしい施策の一つと考えている。それ自体に共感を覚えるが、入院費無料化の内容が小学3年までとしたことに、疑問を感じた。市の代表質疑や補足質疑の答弁を詳細に分析し、当局に幾つもの資料要求をした。資料の提出がおくれて非常に困ったが、わかる範囲での結果、今回の小学3年生までの拡大は、次世代アンケートによるニーズ、本市の財政状況、医療費の無料化にはいろいろな考え方として、いろいろなバージョンがあることがわかった。ニーズについては、市の根拠である次世代育成支援アンケート調査で、「安心して子どもが医療機関にかかれる体制を整備してほしい」に50.3%回答したのは、小学6年生までの保護者であり、このアンケート結果は小学3年生までの拡大の根拠にはなり得ないと考えた。また、医師会を初めいろいろな方々から、現状では適切な医療が受けられないという不安や心配があるとの意見が数多く寄せられていることも事実である。次に、本市の財政状況について、県費補助金の増額分1億2,000万円ほどを充てるとあったが、県費補助の不公平さは残ったままであることに不満を持った。市長案により小学3年生まで拡大すれば、県から裕福な市と見られ、今後とも改善が見込めないことになるのでおかしいと思っている。県への見直し要求と、本市の独自予算の助成の拡大は、全く別に考えていく必要があると思っている。子どもの医療費助成の拡大は、裕福で余裕があるから行うものではなく、真に市民のために必要であると、子育て日本一を実現するために、その必要性を判断して行うべきであるという信念に達した。他都市の状況等を見ると、将来的には中学3年生までも視野に入れた対応が必要と考えるが、今回は小学6年生まで入院費の無料化を拡大するという考えに達した。 20 ◯木村委員 事前の資料要求や説明等が不十分であったという不満を述べられているが、それはあったのかなという気もする。中学3年生までの所得制限を設けると当初言われていたような気もするが、その所得制限をなくして小学6年生までとした経過を尋ねる。 21 ◯今林委員 公の立場で中学3年生まで拡大すると言ったことは一度もない。 22 ◯木村委員 小学6年生までとすることで、それに係る予算総額は幾らか。 23 ◯今林委員 当局から試算等について提出されると思うが、市当局の資料によると、平年ベースで2億8,600万円程度と聞いている。 24 ◯木村委員 その財源の確保はどのように考えているか。 25 ◯今林委員 市長が予算措置をすべきということで、市長の予算編成権、執行権に配慮して行われたいと思うが、我が会派で検討した結果について述べる。今回の提案分では、市長案と比べて新たに必要となる経費は、約1億6,000万円と思う。財源を答える前に、基本的な考え方として、市長は子ども医療費の無料化の拡大について、小学3年生、小学6年生という形でふやしていくことを、財源がなければしないということは、非常に悲しいことと思う。市長を支える社民党から財源の質問をされるのは、市長の子育て日本一は何だったんだろうかと思っている。財源を議論する前に、市としての必要性、使命が必要ではないかと思っている。拡大は逆に財源がなければしないということは、拡大をしないと宣言しているように聞こえる。財源の根拠については、入院の医療費について、市から資料ではゼロ~4歳の入院率について100人に対して2.37人、5~9歳は100人に対して0.45人で、約6分の1に急激に減少する。さらに、市の乳幼児医療予算は、21年度29億円であり、22年度32億円と大幅に3億円ほど変動している。今回の拡大により必要とする額は、小学3年生までで1億4,000万円、小学6年生まででさらに1億4,600万円、合わせて2億8,000万円になるが、この予算額は32億円の大体1割にも満たない額になる。さらに、この乳幼児医療については、2月補正予算として、19年度4億7,000万円、20年度3億8,000万円、21年度2億2,000万円組まれているが、最終的に予算が要らない不用額が、19年度1億6,000万円、20年度1億1,000万円発生している。予算の精査を行えば、十分、子ども医療については対応が可能というのが一般的な考え方である。また、大きな話として、子ども育成費の不用額は毎年10億円以上が発生している。そういった状況で、市として精査すれば扶助費は、もともと億単位で変化し、補正も随時行っている。例えば、不況による影響により、扶助費である生活保護費が99億円増額補正したように、そういう経済状況の変化によっても補正する。また、例えば新型インフルエンザがふえれば入院患者もふえて、子ども医療費も増額することで、扶助費に対して公共財源というのはなかなか当てはめるのが非常に難しい話である。毎年、扶助費は増額していく要素があることを伝えたいと思う。 26 ◯木村委員 予算の精査等で、行革や職員定数の減等から予算を充ててはいけないという主張を持っている。そういう点から、共産党には質問していないけれども、ここでひとり言を言うと、西日本新聞の記事にあるように、万が一共産党案が通らなくて、その後、共産党が自民党案に乗るということは、予算の確保の点からいって、筋に合わないとの感想を言って終わる。 (修正案に対する質疑) 27 ◯阿部(正)委員 民主・市民クラブは、市長が提案した入院医療費の助成を就学前から小学校3年生まで拡大する議案第61号福岡市乳幼児医療費助成条例等の一部を改正する条例案を支持し、自民党福岡市議団の修正案に対し質問する。そもそも本市の乳幼児医療費助成制度は、昭和48年6月、県に先駆けてスタートしたもので、子育て世代の経済的な負担を軽くし、安心して生み育てられる環境整備の一環であるとの基本的な考え方は、議員各位の意見の一致するところと思う。厳しい財政状況の中、最近まで県の補助を受けず、子育て世代の経済的支援を継続してきた当局や議会の努力に対し、敬意を払うものである。市長案に関連し、公明党福岡市議団・日本共産党福岡市議団両会派からの代表質問や、みらい福岡市議団の補足質疑に対して、市長は、小学生を持つ親のニーズや本市の財政状況を踏まえ、小学校3年生までの入院医療費を無料とすると答弁している。本制度は、子育て世代の経済的な負担を軽減し、安心して生み育てられる環境を整備するという、まさしく市長が推進する子育て支援施策の大きな柱である。また、その財源については、さきの補足質疑の中で、平成20年10月に県が通院の補助対象年齢を3歳未満から小学校就学前まで拡大したことに伴い、本市への県補助金が増加することにより一般財源負担の軽減が図られたと答弁している。確かな財源の裏づけに伴う対象拡大が、我が会派が市長案を支持する最大の根拠であると申し述べておく。自民党福岡市議団より提出された修正案について、問題点を指摘し、疑問点について質問する。まず、本制度の目的と助成範囲の推移について、保健福祉局に尋ねる。 28 △保健福祉局長 本制度の目的は、乳幼児の保健の向上を図り、もって乳幼児を健やかに育成することである。これまでの助成範囲の推移については、昭和48年6月の発足当初は入院、通院ともに3歳未満を対象とし、初診料・往診料を除く自己負担相当額を助成する制度であったが、平成12年10月に対象年齢を入院は小学校就学前、通院は4歳未満に拡大、平成18年4月に通院の対象年齢の経過措置を設け小学校就学前まで順次拡大、平成19年1月に3歳未満は初診料・往診料の自己負担をなくして無料化、平成19年8月から通院の対象年齢の経過措置を撤廃し小学校就学前に一斉拡大するとともに、3歳以上の初診料・往診料の自己負担をなくして無料化を実現した。 29 ◯阿部(正)委員 次に、自民党に尋ねる。当初、対象を中学校3年生までの所得制限つき償還払いでの提案が準備されていたようだが、対象が小学校6年生までとなり、所得制限が外され、現物給付となったこと等を含め、修正案の趣旨を説明されたい。 30 ◯今林委員 今の質問に対して、実際そのようなことを言っていないので、答弁のしようがない。 31 ◯阿部(正)委員 それでは、修正案の趣旨だけ尋ねる。 32 ◯今林委員 提案説明でも述べたとおりである。 33 ◯阿部(正)委員 個人負担のない無償とした理由は何か。 34 ◯今林委員 無償という言葉がわかりかねるが、自己負担がないということか。自己負担を設けるかについては、社会保障である医療保険制度における相互扶助としての受益者負担の考え方について、立案過程で検討を行ったが、入院の場合は保護者の経済的負担が大きいことから、受益者負担よりも将来を担う子どもの健康を優先すべきと考えたものである。 35 ◯阿部(正)委員 先般、みらい福岡市議団の補足質疑の中で、拡大する子ども医療においては、最低限の自己負担が必要との考えから、所得制限や自己負担の導入について質問された。これはいわゆる受益者負担に係る考え方である。平成20年3月議会での留守家庭子ども会事業の有料化継続か無料化かの議論において、この受益者負担の考え方が議会を二分する大きな争点であったことは記憶に新しいが、みらい福岡市議団の受益者負担に対する考え方は当時から一貫しており、本件に対する同会派の態度表明の根拠の一つであろうと推測している。自民党に尋ねるが、これまで貴会派が主張してきた受益者負担に対する考え方と、修正案において自己負担がない点の整合性はどうか。 36 ◯冨永委員 留守家庭子ども会は、同会を利用する子どものみを対象としており、しかも留守家庭子ども会に子どもを預けることが保護者の収入につながるとして受益者負担を求めたが、今回の医療費助成は、子ども全員に対する助成であり、だれがいつどこで病気になるかわからないことから、受益者負担は求めないとしたものである。 37 ◯阿部(正)委員 修正案については財源も不明確であり、手続や進め方に無理がある。修正案は、小学校6年生までの拡大について、準備や財源措置のため施行日を公布の日から起算して10月を越えない範囲内で附則で定めるとしており、運営理事会での提案理由の説明では、平成23年1月に施行した場合は、市長の当初予算の範囲内でおさまるとして、22年度の財政措置は不用であるとの説明がなされた。市長案の施行日は9月1日だが、修正案が最大で平成23年1月末ごろとなれば、市長案より5カ月も先送りとなり、今回市長案で対象となる小学校1~3年生の子どもたちへの助成が最大で5カ月もおくれるのではないか。市当局と予算の増額修正について、事前の調整を行ったのか。 38 ◯今林委員 まず、施行日を公布の日から10月以内としたことで、最悪の場合、施行が平成23年1月となるが、準備等の作業が間に合えば当然9月からの実施となり、不用に延ばしていることは全くないが、市長の予算編成権と執行権に配慮し、予算が必要であれば補正を組む機会を12月議会まで与えるということである。加えて、9月実施の場合、本年度予算は8,700万円ほど増額が発生すると試算しているが、この財源については、20年度の健康保険法改正により、入院医療費の本来の助成額と積算額の差額2億5,000万円程度が生じており、増額分についてはこの範囲で十分対応可能であるが、今後市当局と調整をしていきたい。また、市当局との事前調整を行ったかについてだが、修正案は議員提案とは違い、市長が条例を送付した2月17日以降に検討を始めることになるが、我々も今回の子ども医療費の無料化をマスコミ情報で知ることになり、市に対して不信感を持ちつつも、限られた時間で真摯に対応するよう努力をしてきた。経過については、市長もさまざまな考え方があると補足質疑で答弁しているが、我が会派においても、小学校3年生まで、小学校6年生まで、あるいは中学校3年生まで、また共産党が言うように通院費等についてなど、さまざまな考え方を検討する必要があるということで、市当局に資料や説明を求めたが、資料の提出が遅く内容の精査にも欠くこともあった。例えば、先ほど述べた健康保険法の改正による影響について説明を求めても、また、高学年になるほど入院率が下がるにもかかわらず入院医療費の助成額が小学校6年生は3年生の倍以上高い1億4,600万円と試算されていることについても、明確な回答をもらえない状況であった。さまざまな考え方で検討していれば、事前調整も早く済むと思うが、提出された資料を見ると、市当局は、最初から小学校3年生ありきで進んでいるのではと感じるような対応であった。 39 ◯阿部(正)委員 今の答弁では、当局側の不備も指摘されており、事前調整まで行われていないと理解する。次に、なぜこの時期の修正案の提出なのか。 40 ◯今林委員 提案説明の中で述べており、趣旨を酌み取ってほしい。 41 ◯阿部(正)委員 了解した。地方自治法第222条によれば、「普通地方公共団体の長は、条例その他議会の議決を要すべき案件が新たに予算を伴うこととなるものであるときは、必要な予算上の措置が的確に講ぜられる見込みが得られるまでの間は、これを議会に提出してはならない」とされているが、今回、議会で予算の増額修正を伴う条例について提案または修正を行い、議決することは適正と言えず、手続上疑義が残ると言わざるを得ない。なぜなら、本条の解釈にあって、逐条地方自治法第4次改訂版において、「議会の議員が予算を伴う条例案その他の案件を提出する場合は、本条の趣旨を尊重して運営されるべきものであって、あらかじめ執行機関と連絡の上財源の見通しを得る必要がある」とされているからである。確認のために担当局に尋ねるが、地方自治法第222条について、本市の解釈はどうか。 42 △総務企画局長 地方自治法第222条は、財政の計画的で健全な運営を確保するため、市長が財政上の負担を伴うような条例などの議案を議会に提出する場合に、一定の制限をかける規定である。旧自治省から都道府県あてに出された通知や回答によれば、「議会の議員が予算を伴う条例案その他の案件を提出する場合についても、本条の趣旨を尊重して運営されるべきものであって、あらかじめ市長との連絡を図って財源の見通しなど、意見の調整をすることが適当である」とされている。 43 ◯阿部(正)委員 今回は、あらかじめ執行機関との連絡の上で、財源の見通しを得る手続があったようには思えず、先ほど述べた手続と進め方について疑義があると考える。したがって、提案会派には、22年度に十分に市当局と協議しながら、9月に開始される小学校3年生までの拡大の状況を検証し、平成23年3月議会へ小学校6年生または中学校3年生まで拡大する内容の議員提案条例を提出してもよいのではないか。さらに、修正案に関しては、恒久財源捻出には最も重要である予算の組み替え動議が提出されていないが、この修正案は22年度当初予算において増額の必要性を伴っていることから、財源措置は最も重要な部分である。次に、保健福祉局に尋ねる。さきの運営理事会において、財源の一つとして説明があった県の医療費助成制度に関する補助金制度について、概要と推移及び県補助金収入の決算額はどうなっているか。 44 △保健福祉局長 県においては、昭和49年10月に、政令市を除く市町村を対象に、3歳未満の入院及び通院の医療費助成について補助制度が設けられ、平成16年1月には入院について対象年齢小学校就学前に拡大されている。平成19年1月に政令市も県の補助対象とされたが、政令市以外の市町村は補助率が2分の1であるのに対し、政令市については18年度中に12分の1、19年度に6分の1と段階的に引き上げられ、20年度から現在の4分の1となり、さらに平成20年10月には、政令市も含め、通院の補助対象年齢が3歳以上に所得制限が導入された上で、小学校就学前に引き上げられている。その結果、本市における20年度の県補助金収入の決算額は、約5億2,600万円である。 45 ◯阿部(正)委員 県の制度は、昭和49年から始まっているが、冒頭で述べたように、本市の制度は昭和48年6月から県に先駆けてスタートし、本市の単独事業として約35年もの長きにわたり、県の補助金を受けず制度を継続してきた。本市は県からの補助金を他市町村並みに受ける権利を有しており、今後も強力に県への働きかけが必要であるが、約35年間の歴史を顧みれば、ここ1、2年で他都市同等の補助率が実現するとは思えず、現実的ではない。参考までに、他都市の子ども医療費助成制度について、政令市中で修正案と同じく入院対象が小学校6年生まで、通院対象は就学前までとしている都市の数と、当該市における道府県の補助率、市の助成に当たっての所得制限、自己負担の状況はどうか。 46 △保健福祉局長 入院の対象年齢が小学校6年生まで、通院の対象年齢小学校就学前までで医療費助成を実施している政令市は、現在、札幌市、京都市、大阪市の3市である。本市の場合、県の補助率は4分の1で、入院・通院ともに小学校就学前までであるが、3市と本市との相違点は、札幌市は補助率2分の1で入院が小学校6年生まで、京都市も補助率2分の1で入院が小学校6年生まで、大阪市は補助率2分の1で通院が3歳未満までとなっている。また、3市とも自己負担を導入し、札幌市と大阪市は所得制限も設けている。 47 ◯阿部(正)委員 政令市中で、同様の助成対象は札幌市、京都市、大阪市である。対象者のとらえ方や財源規模、道府県からの補助率の違いなど一概に比較はできないが、手元の20年度決算資料から道府県補助金を差し引き後の市費部分の1人当たりの平均助成額を算出したところ、札幌市約1万9,500円、京都市約7,800円、大阪市約1万4,500円、福岡市約3万3,500円と本市の持ち出しは突出している。以上から、子育て世代の経済的支援の観点、本市の財政状況、周辺市町村とのバランス、県との関係、そして最も重要な財源確保の観点から、対象年齢の拡大とその財源の確保については一緒に議論していくべきと考える。繰り返しになるが、今回の修正案が可決されても、市長案より最大で4~5カ月も施行がおくれ、しかも施行後2~3カ月すれば23年度になる。本当に市民の利益を考えての政策提案であれば、まず市長案を可決させ、小学校3年生までは9月から開始して、その検証をしながら市当局と予算財源について十分に協議し、23年度の3月議会において議員提案条例を出すという進め方こそが王道であり市民の利益であり、手続上最も妥当であると考える。したがって、我が会派は、財源の裏づけが明確な市長案に賛成の意を、手続上不備の多い自民党修正案に反対の意を表明し質問を終わる。 (修正案及び動議に対する質疑) 48 ◯太田委員 市長提案の入院医療費の助成を小学校3年生までに拡大する「議案第61号福岡市乳幼児医療費助成条例等の一部を改正する条例案」の妥当性、現実性を踏まえ、共産党福岡市議団提出の「議案第61号福岡市乳幼児医療費助成条例等の一部を改正する条例案」に対する修正案及び「議案第28号平成22年度福岡市一般会計予算案」の組み替えを求める動議の問題点について質問する。共産党福岡市議団提出の修正案は、市長提案の入院医療費助成制度が、子育て世帯に対する経済的負担の軽減から見ても不十分な制度であるとし、対象範囲を中学校3年生までとし、さらには通院についても助成を行うという内容になっているが、財源確保という点で大きな課題があるのではないかと考える。まず、福岡都市圏の各自治体の助成状況について尋ねる。 49 △保健福祉局長 本市を除く福岡都市圏の8市8町の助成状況については、宗像市が入院・通院医療費とも小学校1年生までを対象としているが、それ以外の市町は入院・通院医療費とも小学校就学前までを対象としている。 50 ◯太田委員 福岡都市圏では宗像市が入院・通院医療費の助成を小学校1年生までとしている以外、7市8町が小学校就学前までとなっている。福岡都市圏の他の自治体の助成制度と比較し、本市が中学校3年までの入院・通院医療費の助成という突出した制度を実施した場合、周辺市町から人口が流入する可能性もあり、さらなる財政負担となる可能性は否定できないのではないかと考える。市長提案の小学校1年生から3年生までの入院医療費拡大について、平年度ベースで助成額の必要財源は幾らになるのか。 51 △保健福祉局長 小学校1年生から小学校3年生までの入院に係る平年度ベースでの一般財源は、推計で約1億4,000万円である。 52 ◯太田委員 共産党福岡市議団提案の小学校1年生から中学校3年生までの入院・通院医療費拡大について、平年度ベースでの助成額とその必要財源は幾らになるのか。 53 ◯ひえじま委員 平成20年の国保連合会の診療データと、住民基本台帳の小学1年から中学3年までの人数をもとに推計すると、平年度ベースで入院費が4億3,000万円、通院費が20億1,000万円、合わせて約24億4,000万円の所要額となる。 54 ◯太田委員 共産党福岡市議団提案の医療費助成制度では平年度ベースで約24億4,000万円の財源が必要となり、市長提案の1億4,000万円と比べると、その差額は23億円となる。共産党福岡市議団の案では、その財源確保については、財政調整基金の取り崩しのほか、アイランドシティ整備事業、五ヶ山ダム建設、渡辺通駅北土地区画整理事業、九州大学学術研究都市構想、九州新幹線博多整備事業など大型開発事業の凍結により一般会計予算を削除するとしているが、それらの事業については予算措置の必要はないと認識しているのか。 55 ◯ひえじま委員 我が会派が「議案第28号平成22年度福岡市一般会計予算案」の組み替えを求める動議で提案しているように、不要不急の大型開発よりも子育て支援が多くの市民の願いであり、人工島関連事業など大型開発5事業の予算措置については、凍結すべきとの認識である。 56 ◯太田委員 当該5事業の予算措置がされない場合、具体的にどのような影響が出るのか、各担当局に尋ねる。 57 △港湾局長 アイランドシティ整備事業については、アジアを初めとする世界とのゲートウエーとして、博多港の機能強化を図るとともに、新たに生まれる都市空間を活用して先進的なまちづくりや、新しい産業の集積を進める事業である。九州、西日本の市民生活や地域経済の活性化に大きく貢献するとともに、アジアに向けた本市の都市戦略上、重要な機能を担う事業である。22年度の一般会計予算案には、アイランドシティにおける良好な住宅整備の促進、低炭素型まちづくりを推進するための経費、またアイランドシティにおける物流拠点の形成やまちづくりの進展により増大する交通需要に対応するとともに、本市東部地域の交通体系を形成するための道路整備予算などを計上している。アイランドシティにおいては、水と緑に囲まれた優れた環境、及び保育所や小中学校の教育環境などが評価され、既に約3,400人の市民が住んでいる。このため、必要な道路整備などの予算が削除されると、今後ますます増大することが予想される交通量への適切な対応ができず、既に居住している住民の住環境が大きく損なわれることになる。また、事業推進により見込まれる市民生活の向上や、地域経済の活性化並びに新たな雇用の創出や市税の増収が見込めなくなるなど、将来にわたる本市の成長戦略に大きな影響を与えることになる。 58 △住宅都市局長 アイランドシティ事業関連予算のうち、アイランドシティへの自動車専用道路の導入については、アイランドシティ整備事業の進捗や新青果市場、新病院などの立地に伴い、広域的な交通需要が増加することから、早期実現に向けて、22年度は環境アセスメントなどの調査検討を進めていく。また、アイランドシティにおける住宅を中心としたまちづくりについても、国の住宅市街地総合整備事業を活用し推進していく。渡辺通駅北土地区画整理事業については、天神地区に隣接し都心を形成する重要な地区であり、また密集市街地としての課題もあるため、天神地区と博多駅地区を結ぶ道路を初めとした基盤整備を中心に、都市再生機構において土地区画整理事業を行っており、22年度の事業完了を目指していく。九州大学学術研究都市構想の推進については、九州大学の移転を契機に産学連携や地域との連携のもとに、伊都キャンパス周辺において学術研究都市づくりを進めているものであり、伊都、元岡地区での土地区画整理事業を進めるとともに、九州大学学術研究都市推進機構と連携し、企業や研究者の誘致に努めるなど、22年度も引き続き、計画的、段階的に構想の推進に取り組んでいく。九州新幹線博多整備事業については、九州新幹線の早期開業は、沿線4県などと一体となって推進に取り組んできたものであり、本市のみならず広域的な期待を集めている事業である。また、沿線自治体の負担については、法に基づくルールに従っており、平成23年春の開業に向けて予算を計上している。このように、いずれの事業も本市のまちづくりにおいて重要な事業であり、九州、アジアにおける本市の拠点性を高めるとともに、将来にわたっての持続的な成長を支えるものであり、着実に推進していく必要があると考えている。予算措置がされなければ、九州新幹線博多整備事業など、完成目前の事業については完成がおくれ、また、その他の事業についても事業の進捗に大きな影響を与えることから、市民生活だけでなく広範囲の経済活動にも多大な影響を及ぼすとともに、本市のまちづくりにも大きな支障を来すと考えている。 59 △水道事業管理者 那珂川の上流に建設中の五ヶ山ダムについては、洪水を調節する機能、河川の流況の安定化、新たな水道水源の開発、そして異常渇水に備えた機能を持つ多目的ダムである。このような機能を持った五ヶ山ダムが建設されない場合、昨年7月の豪雨災害に見られるような治水面での課題が解消されないことに加えて、利水の面では、水道や農業などに幅広く利用され、日常的に流量が不足している那珂川の流況の改善が進まず、気候変動や流域の市街化に伴う保水力の低下などにより、安定した取水がさらに困難になることや、昭和53年や平成6年のような異常渇水が発生した場合、ダムによる渇水対策容量が確保できていないため、長時間の給水制限などが避けられず、高齢世帯や高層住宅の増加といった社会構造の変化を考えあわせると、市民生活への影響はより一層深刻なものとなることなどが想定される。また、本市が水源の多くを依存している筑後川は、2年に1回程度の取水制限が行われるなど、不安定な流況であり、さらに、渇水時には流域の四つの県にまたがる水利調整を受けるため、厳しい事態も想定される。このようなことから、過去2度の大渇水を教訓として水の安定供給を図るためには、近郊の水源として、五ヶ山ダムの早期完成が必要と考えている。 60 ◯太田委員 アイランドシティ整備事業については、既に照葉地区には水と緑に囲まれた環境、保育所や小中学校の教育環境が評価され、約3,400人の市民が生活している。本事業には、道路整備事業等が含まれており、予算措置がされない場合、既に生活している市民の住環境を大きく損なう可能性があるのではないかと考えている。五ヶ山ダムは県営ダムであるが、まだ本体工事が着工されていない状況であり、今後、国のダム検証の基準に従って検証することになっている。22年度は新たな段階に入らず、地元住民の生活を守るための生活再建工事であり、これは必要な事業である。渡辺通駅北土地開発整理事業については、天神地区と博多駅地区との連携強化を図る都市計画道路であると同時に、狭隘道路や密集市街地などの防災上の課題を解消すべく行われている事業である。九州大学学術研究都市構想推進については、本市の現在の活力は、九州大学が本市に立地し、九州、西日本全域から優秀な人材を集め定着させてきたこと、そしてその研究機能が地元の企業の競争力強化に役立ってきたことに負うところが大きいが、九州大学学術研究都市構想の推進予算については、九州大学の研究シーズをもとに、産学連携や企業誘致を進め、人々の暮らしを支える都市活力を生み出すものであり、本市に新しい産業を生み出し、市民生活を支える雇用を確保し続けていくためにも大変重要なものであると考えている。九州新幹線博多整備事業については、沿線4県と本市を含む駅設置市が一体となり要望してきた施策である。3月24日の読売新聞に掲載されていた九州経済調査会の全線開通後の企業活動に与える影響調査結果でも、「プラスである」、「ややプラスである」とした回答が6割以上であると伝えている。本事業に対し、本市が負担金を支出しないことになれば、全線開通に支障を来し、市民や来訪者に限らず商圏やビジネスチャンス拡大に期待を寄せる事業者に多大な影響があると考える。また、渡辺通駅北土地区画整理事業や九州新幹線博多整備事業は、22年度までの事業であり、これらの予算を削減しても、医療費助成制度を進めていく上での恒久財源とはならない。このように、共産党福岡市議団が予算の組み替え動議の中で提案している五つの事業予算の削減については、市民生活や事業活動、そして将来にわたる本市の活力のために必要な事業であり、削除することは適当でないと考える。したがって、共産党福岡市議団提案の修正案については、財源の根拠が希薄であると言わざるを得ない。医療費助成制度は、長期的に安定的に運営されるべき施策であることから、明確な財源の根拠のない案について賛成することはできず、財源が明らかな市長提案の条例案が妥当かつ現実的であると意見を述べておく。 (修正案に対する質疑) 61 ◯平畑委員 我々の主張と最も対極にある共産党立案の議案第61号の修正案について尋ねる。今回、市長案の小学校3年生までの入院費無料という案に対し、中学校3年生まで通院・入院ともに無料、つまり15歳まで医療費を無料にするという修正案を提出された理由を尋ねる。 62 ◯中山委員 提案理由説明でも述べたように、子育て世帯は低賃金、雇用状況の悪化により比較的所得が低く、子育てに係る経済的負担が大変重くなっている。本市が小学生の子どもを持つ親を対象に行った次世代育成支援に関するアンケートでもその結果がはっきりと出ている。中学生を持つ親へのアンケートは行われていないが、子どもの高校や大学等への進学を控えた世帯であり、負担感や将来不安が大きいのは明らかである。日本医師会の提言でも、義務教育終了までの外来医療費の無料化を目指すと述べられており、これは現場からの大変重い意見だと受けとめている。税金の使い道を子どもの医療、福祉に回し、これまでの大型開発中心の財政運営を改めて、市民が望む方向に切りかえていくという考え方のもと、義務教育を終了するまでは一律に子どもの医療費に係る経済的負担をなくす必要があると考え、提案したものである。 63 ◯平畑委員 先日、子どもの入院費無料化に関するアンケートを実施したところ、入院費無料の対象年齢引き上げについて、賛成が41.2%、必ずしも賛成ではないが58.8%であった。だれでも子どもの病気にかかわることだから何とかしてやりたいと考えるのは普通だと思う。しかし、思い出してほしいが、以前は老人医療は無料だったものが、昭和57年老人保健法が施行され、外来1月400円、入院1日300円の一部負担金を取るようになっている。これは従来のいわゆる無料化制度が老人の受療を容易にした半面、老人の健康への自覚を弱め、行き過ぎた受診を招いたことなどが理由である。現在では1割負担、高齢者でも現役並みの所得のある人は3割負担となっている。小学校3年生までの入院でさえ、当局の見込みよりさらに負担が増加すると思う。今回の修正案で中学校3年生まで通院・入院無料となれば、医療費は予想よりさらに増加すると思うが、この負担増を幾らと見積もっているのか。 64 ◯中山委員 国保連合会によるデータをもとに推計した金額により、今回提案している10億7,200万円が、2010年9月から2011年1月まで5カ月分の通院・入院費を合わせた所要額となる。2月、3月分については、次年度の会計処理となるため、今年度予算には含んでいない。平年度ベースにすると、入院費4億3,000万円、通院費20億1,000万円、合計24億4,000万円となり、これが新たな所要額となる。病院にかかりたい世帯がお金の心配なくかかれるようになれば、子どもの医療については、予防や早期治療によって子どもの健康維持に寄与し、医療費全体は抑制方向となるため、予想より大きく増大することはないと考えている。 65 ◯平畑委員 現在の乳幼児医療費助成制度については、平成19年8月に小学校就学前までに一気に拡大されている。この改正時には、我が会派は一も二もなく賛成している。就学前の子どもは、どうしても体力的に弱く、熱を出したりけがをすることも非常に多いからである。しかし、小学生になると見違えるほど体力もつき、強い体へと成長し、病院に行く回数も減るのである。市長案は、次世代育成支援に関するアンケート調査で、「安心して子どもが医療機関にかかれる体制を整備してほしい」の割合が前回に比べて増加しているので、小学校3年生に拡大するとのことだが、安心して医療機関にかかれる体制とは、入院費を無料にすることなのか。我が会派は、こども病院のアイランドシティへの移転や小児救急体制への不安感等が理由であり、必ずしも入院費を無料にしてほしいということにはつながらないと考えている。共産党の提案理由説明では、子育て世代は収入が少なく、負担軽減のためということだが、通院も入院も無料となれば、無責任に病院に駆け込む人の増加や安易な入院要求なども考えられる。市内の小児2次医療は、こども病院以外で10施設あるが、入院しても無料となれば、入院が増加して病院のベッドが足りなくなり、本当に入院しなければならない子どもが入院できない可能性も出てくると考えるが、所見を伺う。 66 ◯中山委員 医療費が無料化されたからといって、子どもの具合が特段悪くないのに病院に駆け込んだり、安易な入院要求をする親がそんなにいるとは考えられない。また、入院の必要がない子どもを入院させる医療機関があるとも考えられない。親と医療機関に対する信頼を前提に制度設計している。 67 ◯平畑委員 我々が実施したアンケートで、就学以降の入院費一律無料化について尋ねたところ、賛成が20.6%、必ずしも賛成ではないが79.4%であった。必ずしも賛成ではないという人に、どうしたらいいかと尋ねたところ、複数回答だが、親の所得制限を設けるべきが66%、一部は自己負担を求めるべきが50.4%、病気やけがの内容・入院の期間によって区別すべきが43.3%であった。何でも無料がよいことではなく、本来親の最大の責任は自分の子どもを責任を持って育てることと多くの人が考えていることがわかる。所得制限に関しては、子どもの病気に親の所得は関係ないという考え方もあり、導入経費がかかり、財政軽減効果も中学校3年生までで4,100万円しかないという試算がある。自己負担については、1回500円で月7回を限度としたら、1,800万円との試算があるが、たとえわずかでも自己責任という考えの中で必要なことではないか。中学生の通院・入院を考えると、例えば部活動でのけがも考えられる。これに関しては、現在は災害共済制度で救済されている。我々は、事故やけがの入院は今までどおり災害共済で救済し、それ以外の内科系の長期入院のみを公費負担として区別すべきと考えている。共産党提案の修正案、中学校3年生までの通院・入院の無料化が実現すると、部活動での通院・入院はこの制度での支払いの対象となり、現在の災害共済は適用できなくなるが、この負担増は幾らと見積もっているのか。 68 ◯中山委員 災害共済制度については、日本スポーツ振興センターによる災害共済給付制度のことと理解しているが、これは、幼稚園、小中学校、高校に子どもが通う保護者が学校を通じて掛け金を負担し、学校の管理下における事故やけがなどの場合、申請によって入院・通院費の4割相当が後に給付される共済制度である。医療費助成制度とは性格が異なるものであり、助成の対象を拡大したことにより負担増が生じるものではない。 69 ◯平畑委員 我が会派も、今回修正案を提出するための努力を最後まで行ってきたが、その内容は、入院の期間の長短で区別し、長期入院者のみを助成するというものである。その理由は、長期入院の家庭は入院費以外にも交通費等のさまざまな経費あるいは親の就労への制限など、負担が一番大きくのしかかっているからである。長期入院者の救済こそが喫緊の課題であり、早急に取り組まなければならない案件である。当局や国保連合会、市医師会などに、長期入院の子どもの数や平均日数などについて尋ねたが、データや資料がなかったり、簡単にわからないとのことであった。長期入院とした場合、どこを一番救済するべきなのか、それが1週間なのか10日なのか、20日以上なのかさえ判断できない上、どれくらいの財政負担になるのかさえ試算できなかったため、修正案の提出を見送らざるを得なかったのである。今回の条例改正に当たり、当局の試算・推計が余りに大ざっぱ過ぎて、どこを本当に救済したいのかわからないというのが偽らざる気持ちである。当局の積極的な長期入院者に対する情報収集を期待しておく。ところで、ことしの4月から月額1万3,000円の子ども手当が中学生以下全員に給付され、23年度は月額2万6,000円といわれている。その実施が決定している22年度から、中学校3年生までの医療費無料導入が必要なのか疑問である。既に導入されている政令市もあるが、それは子ども手当の実施が決定される前からであり、県からの補助金がきちんと2分の1補助されている都市であったり、事務費についても補助金が支出されているという背景があり、県が先行して中学校3年生や小学校6年生までの補助の条例案を施行しているところがほとんどで、政令市が県より先行している事例は余り多くはない。県より先行してはいけないと申し上げているのではなく、我が会派は、共産党の修正案はもとより、市長案の小学生以上の入院費無料化についても、22年度は子ども手当などの実施もあり、拙速に導入すべきでないと考えている。なぜなら、そのつけは将来の子どもたちの負担となるからである。現在の親は確かに助かるかもしれないが、子どもが成長し親となる時代に、間違いなくその肩に背負わなければならないことになる。今やるべきは、未曾有の経済不況をいかに早く脱却し、仕事のない人たちや売り上げ不振にあえぐ中小、零細企業の人たちが、安定した社会、夢の持てる社会を構築するための成長戦略を市民に示すことである。この成長戦略にこそ、しっかりと財政上の処置をすべきと考える。我が会派は、時代を担う子どもたちにつけを回すことになる中学校3年生までの医療費無料化に反対を表明し、質問を終わる。 (意見開陳) 70 ◯三角委員 みらい福岡市議団を代表して、本条例予算特別委員会に付託された22年度予算案及び条例案、その他関係諸議案のうち、議案第61号乳幼児医療費助成条例等の一部を改正する条例案、自民党提案の議案第61号に対する修正案、共産党提案の議案第61号に対する修正案、及び議案第28号に係る予算組み替えを求める動議、並びに議案第87号住宅リフォーム助成条例案に反対の意を表するものである。詳しくは、本会議での討論において申し述べる。 71 ◯田中(丈)委員 民主・市民クラブを代表して、本条例予算特別委員会に付託された22年度一般会計特別会計、企業会計に係る予算議案、条例案、関係諸議案については、市長原案に賛成の意を表するとともに、議案第87号住宅リフォーム助成条例案に反対の意を表する。なお、特に子ども医療費助成に関しては、予算の組み替えもなく、手続にも疑義があるように思えてならない自民党提案の修正案に対し、また長期的かつ安定的に運用されるべき医療費助成施策でなければならず、予算組み替えに関して明確な財源の根拠のない共産党提案の予算組み替えを求める動議並びに修正案に対しては、賛同できないことを申し述べる。また、このほか、賛成の理由、意見、要望を初め、我が会派の考えについては、本会議において詳細を述べる。 72 ◯星野委員 日本共産党市議団を代表して、本条例予算特別委員会に付託された諸議案のうち、議案第29号、議案第30号、議案第32号、議案第35号、議案第36号、議案第38号ないし議案第40号、議案第42号、議案第44号ないし議案第48号、議案第55号、議案第60号、議案第62号、議案第64号、議案第67号、議案第69号、議案第72号、議案第77号、議案第78号、議案第81号、議案第83号、議案第85号、議案第86号に反対し、議案第28号については予算組み替え動議に賛成し、また議案第61号については我が会派提案の修正案に賛成して、意見を開陳する。我が会派の意見については、代表質疑及び補足質疑、分科会審査並びに総会における質疑で述べているので、ここではその基本点について述べる。周知のとおり、昨年の総選挙で自民・公明政権に退場の審判が下され、新しい時代が切り開かれた。国民は政治を変えたい、暮らしをよくしたいという願いを一層強めている。ところが、民主党政権は、後期高齢者医療制度の廃止を4年も先延ばしにしたり、米軍普天間基地の移設先探しで迷走を続けた上に沖縄県内に押しつけようとしたり、肝心かなめの問題で国民との約束を裏切りつつあり、期待外れとの声が広がっている。政府の新年度予算編成と財政問題でも、庶民増税に踏み出し、消費税増税のための議論を進めている。まさに自公政治からの根本的な転換に踏み出せない新政権の実態がいよいよ浮き彫りになっている。我が会派が指摘しているとおり、大企業優先、アメリカ言いなりの2つの聖域に切り込んでこそ、国民の願いにこたえて暮らしを守ることができるのである。こうした中、市長の2010年度予算案は、旧来型の市政からの転換に踏み出すものとなっていない。深刻な経済危機に伴い、市税収入が59億円も大幅に減少する見込みで、地方交付税も微増にとどまる中、臨時財政対策債を含め、市債発行額が2年連続増額の684億円に達するなど、借金頼みの苦しい歳入予算となっている。歳出は全体の14%を占める1,039億円を借金返済に充てるなど、ますますゆとりのない予算編成となっているが、それでもなお人工島事業の推進に89億円もの巨費を充て、五ヶ山ダム建設や福岡空港滑走路増設、都心部再整備など大型開発を優先する姿勢を改めていない。これは、税金無駄遣いをやめよという市民の願いに反し、また、民主党政権が掲げる「コンクリートから人へ」に真正面から逆らうものにほかならない。また、景気対策という点から見ても問題がある。現在の不況の最大の要因である国民所得の減少を打開するには、大企業がため込んだ内部留保を還元させ、非正規労働者の正社員化と大幅賃上げによる内需拡大こそ必要である。ところが、市長の経済・雇用対策にはこうした視点が欠けている。成長戦略などと言われるが、それは強い企業をもっと強くすれば経済が成長し暮らしもよくなるといって、これまで進められてきた構造改革路線であり、既に破綻し国民から見捨てられたものにほかならない。本市の雇用創出といっても、半年間の非正規労働者を一定ふやすだけで、深刻な人手不足に悩む福祉、介護、保育、教育、農林水産業などの分野でどう正規雇用をふやすのか、市長には何の戦略も見えない。さらに、前政権が進めた社会保障費削減路線のもとで傷つけられた市民の暮らしを応援することが求められているが、市長は家計を直接温める施策に背を向け、新年度引き上げられる後期高齢者医療保険料は放置し、介護保険料は高いまま据え置いている。とりわけ、低所得の高齢者や障害者の経済的負担の軽減に効果的な公共料金の福祉減免は、何一つ実行しようとしていない。こうした予算では、暮らしの安心を切に願う市民にこたえるものになっていないのである。教育費については509億円と、一般会計のわずか6.9%へと後退した。校舎の耐震化がまもなく完了するが、大規模改造が後回しにされ、窓サッシの落下事故が続発するなど、校舎修繕も不十分である。教育予算を抑制する市長の姿勢は極めて問題である。本市の待機児童は1月時点で909人とふえ、保育所に入れない事態は深刻である。市長は2,200人分を整備する新待機児童解消プランを始めるが、新設する地域を限定し、定員超入所など詰め込みを進めるやり方は問題があり、改めるべきである。学童保育は、これまで3年生までだった対象を、4年生へ一部拡充するが、大規模化が問題になっており、建てかえ改修は25カ所と不十分である。市債残高は全会計合計の2010年度末見込みで2兆5,067億円、市民1人当たり176万円と依然として深刻である。さらに外郭団体などの隠れ借金が482億円に上っている。市長は財政リニューアルと称して、今でも政令市一少ない市職員をさらに104人も削減し、非正規化を進めるとともに、こども病院と市民病院を独立採算にして、職員も非公務員にする地方独立行政法人化や、公立保育所の3カ所の民営化を強行している。また、市税、国保料、市営住宅家賃などの滞納対策、差し押さえを一層強化し、福祉や教育をカットするための事業仕分けや貴重な市有地の売却、球技場の有料化などを推進しているが、こうした市民犠牲と責任放棄の行財政改革は認められない。市長は、市民犠牲の行革路線ではなく、税金無駄遣いの開発行政を根本から改めることによって、借金財政の建て直しを図りながら、雇用と中小企業対策、医療、福祉、介護など社会保障、子育て、教育、環境、防災、平和など市民生活を最優先する市政へ切りかえるべきである。我が会派は、こうした立場から、予算の抜本的組み替えを要求したが、市長は拒否したのである。そこで我が会派は、一般会計予算案組み替えを求める動議を提案した。これは、税金無駄遣いの大型開発を凍結し、子どもの医療費無料化を入院、通院とも中学校3年生まで拡大するためのものであり、最低限の組み替えである。我が会派は、組み替え動議に賛成する。次に、議案第61号についてであるが、これは子どもの医療費助成制度について、入院医療費のみ小学校3年生まで拡大するものであるが、これに対し我が会派は、医療費無料化を入院、通院とも中学校3年生までに大幅に拡大することを求めて、修正案を提案しており、議員各位の賛同をお願いする。なお、我が会派は、子どもの医療費無料化を1歩でも2歩でも前に進める立場から、制度の拡充を目指すものである。次に、議案第87号住宅リフォーム助成条例案については、政令市で初めての住宅リフォーム助成制度の実現として、市民が大きな期待を持って成立を待ち望んでいる。本市経済の主役である中小業者の現状は極めて深刻であり、建設業者を初め多岐にわたる中小業者の仕事確保と経済活性化に大きな効果がある住宅リフォーム助成制度の創設こそ、現状打開の決め手となるものである。ところが、当局は、エコなど工事内容を限定しない一般的なリフォームへの助成は業種間の公平性の観点で問題があるなどと難癖をつけているが、本市が新年度に住宅省エネ改修助成を導入することによって、その論理は完全に崩れたのである。一方、本市制度は、助成の対象を国の住宅版エコポイントの適用工事に限定しており、これでは地元中小業者の仕事確保と経済効果は限られたものになるのは明白である。中小業者の仕事確保のためには、あらゆるリフォーム工事を助成対象にすべきである。そもそも既存住宅のリフォームは、それ自体が環境に優しいものであり、だからこそ目的を限定しない住宅リフォーム助成制度の導入が全国の自治体で広がっているのである。市民の期待を裏切ることのないよう、議員各位の決断を改めてお願いするものである。 73 ◯尾花委員 公明党福岡市議団を代表して、本条例予算特別委員会に付託された22年度一般会計特別会計及び企業会計の予算議案、条例案並びに関係諸議案について賛成の意を表する。なお、議案第61号に対する修正案については、入院に係る医療費の助成対象者の範囲を12歳、小学校6年生までに修正し拡大する自民党提案の修正案に賛成の意を表する。また、意見、要望などの詳細については本会議で申し述べる。 74 ◯木村委員 社民・市政クラブ福岡市議団を代表して、当条例予算特別委員会に付託された全議案のうち、議案第45号、議案第55号、議案第60号、議案第81号、議案第28号に係る共産党提案の予算案組み替え動議、同じく共産党提案の議案第61号に対する修正案、並びに自民党提案の議案第61号に対する修正案に反対の意を表するものである。詳しくは、本会議において討論することとする。なお、本総会及び各分科会において、我が会派議員が申し述べた事項については十分配慮され、今後の市政の運営に当たられるよう要望する。 75 ◯阿部(真)委員 自由民主党福岡市議団を代表して、本条例予算特別委員会に付託された全議案のうち、議案第61号に対しては、我が会派から修正案を提出しているとおりであり、議員各位の賛同を求めるともに、議案第87号住宅リフォーム助成条例案を除くその他の議案に関しては賛成の意を表する。なお、詳細については、本会議で申し述べる。 76 ◯外井委員 ふくおかネットワークを代表して、本条例予算特別委員会に付託された条例議案、予算議案及び一般議案のうち、議案第28号22年度一般会計予算案を初め、議案第29号、議案第36号、議案第40号、議案第44号、議案第45号、議案第46号、議案第50号、議案第60号、議案第81号並びに議案第28号に係る予算組み替えを求める動議、議案第61号に対する共産党提案の修正案には反対するとともに、自民党提案の修正案には賛成の意を表する。各議案に対する反対理由、意見、要望についての詳細は、本会議にて申し述べることとし、ここでは議案第61号に関連する動議、修正案に対する意見を開陳する。我が会派は、子どもの医療費助成制度は子どもの命と健康を守るための子どもへの直接支援であるべきと考えている。そのため、保護者の所得制限や医療費の保護者一部負担、償還払いなどの制約を子どもの医療費助成制度に持ち込むべきではないと考えている。今回の市長提案、議員提案の修正案は、いずれも制限なしの全額補助とする案であるが、財源の確保が問題となる。共産党提案の予算組み替えの動議については、我が会派は人工島事業の凍結に伴う減額や、五ヶ山ダム建設関連経費の削減には同意できるものの、渡辺通駅北土地区画整理事業や、九州大学学術研究都市構想、九州新幹線博多整備事業については、これまで反対してきていないことから、予算組み替え動議について賛成することはできない。共産党提案の修正案についても、将来的には入院、通院ともに中学校3年生までの全額助成を実現させることを望むものの、現段階では本年9月1日から施行することや、後年まで継続して助成事業を行うための財源確保は難しいと考えることから賛成することはできない。我が会派は、助成対象を小学校6年生までとし、施行期日を公布の日から起算して10月を越えない範囲において規則で定める日から実施することとする自民党提案の修正案に賛成する。6年生までの助成とすることで、市長案より毎年約1億5,000万円ほど本市の負担額が増加するが、その財源は地下鉄延伸や人工島3、4工区の埋め立て造成事業などの大型開発推進経費の削減や、県からの補助率を他自治体並みに引き上げるよう交渉することなどによって確保し、子どもの医療費助成制度のさらなる拡充を目指すことによって、子どもの生存、発達の権利を重視する市政を実現することを市長に求め、意見開陳を終わる。 77 ◯藤本委員 福政市民クラブを代表して、本条例予算特別委員会に付託された22年度一般会計特別会計及び企業会計の予算議案、条例案並びに関係諸議案については、市長原案に賛成の意を表する。また、共産党提案の議案第28号に係る予算組み替えを求める動議、議案第61号に対する修正案及び自民党提案の議案第61号に対する修正案、並びに議案第87号福岡市住宅リフォーム助成条例案等については反対の意を表する。なお、意見、要望など詳細については、本会議で申し述べるが、一言意見を申し上げる。そもそも、今回のような助成策というのは、そのすべてがばらまきとは言わないが、政治にとり禁断の果実、麻薬的な魔性があるものであり、助成策を施行するに際しては、その財源を明確化するとともに、対象範囲を厳しく限定し、厳密な歯どめがなされなければならないものと思う。採否の決断に当たっては、政治家みずからの良心と良識に照らし、また身を切る覚悟をもって判断すべきものと考える。 78 ◯友納委員 平成会を代表して、本条例予算特別委員会に付託された22年度条例案、予算議案、及び一般議案に賛成の意を表する。共産党提案の議案第61号に対する修正案、及び自民党提案の議案第61号に対する修正案には反対し、原案に賛成する。なお、意見、要望など詳細については、本会議で申し述べる。 Copyright (c) FUKUOKA CITY, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...